彼女と付き合って、もう少しで3年か…
今日は彼女のうちで食事
「いいワイン買ったから、うちで飲もう」と誘われた
オレにしてみたら、彼女はかなりの高値の花ってヤツ
顔だって、ある時は、電車の中で一番かわいい
頭だっていい。料理だって下手じゃない
なんでオレなんかと付き合ったのかな…
「オレのどこが好き?」なんて聞けないしな…気持ち悪いし
結婚か…彼女の方が3つ上だからな、今夜、オレから言う?…いや、無理だな
「どうしたの?大丈夫?」振り向くと、彼女が笑顔でワインを持っていた
「このワインね、“
レ フォール ド ラトゥール”なの。
ほら、5大シャトーにラ・トゥールっていうのがあるでしょ、
そこのセカンド・ワインなの。
でもね、セカンドでも一流以上の味のことがあるんだって。」
1口飲んで分かる…これは、一流の味だよ
これはさ、いくらセカンドっていってもさ、名門家の坊っちゃんが
お父さんに反抗して、家出したレベルだよ…オレの二流、三流とは違うだろ
この柔らかくて優しいタンニンは、そうだな…彼女に似てるな
振られたら、オレの人生キツイよな…きっと。結婚って早く言った方が…
「ごめん、えっ?何?」
「やだ、聞いてなかった?わたし、ドレスと白無垢どっちが似合うと思う?
お母さんは白無垢って言うんだけど…」
「……………、やっぱ、ドレスでしょ…」
「だよね!!じゃあ、そうする」
「………Mariage(マリアージュ)は大切だよ、とにかく」
彼女は、はじけるように笑って、つまようじで、オレの口にチーズを入れた
いや、そのMariageじゃないんだけど…
まあ、いいか
ずっと、君を笑顔でいさせてあげるよ
By Premier★Bisou