「もっと豪華な納会にして欲しいですよねー」
確かに、何で年末の納会って、社内でするのかしら…
こんな風に買出しにも行かされるし、やる必要ないはず…
「さあ、早く、そこのビールカゴに入れて。カンタンに買い物すませましょう」
社内の一番若手と買い出し…彼、いくつ年下だっけ??7つくらい??
やだっ 私、来年いくつになっちゃうんだろう
あー年末はやだやだ
「やっぱりビールですよねー納会は…
おっ、このワインうまそう、これ買っちゃいましょうよ」
と彼が手に取ったのは、2007年のボージョレ・ヌーボー
「これ、ボージョレよ。もうボージョレの時期は終わったんだから、
こんなのダメよ」
「でも、ボク、ボージョレって飲んだことないんですよねー。自腹で
いいから、これ買おうっ」
スーパーを出たところで彼が私に聞いた。
「ボージョレってどんな味ですか?おいしいんですか?」
「そうね…」
そうね、君みたいな感じよ。あー若いなって感じの味よ。
ピノ・ノワールほど、深みがないから、ちょっとまだ包容力もないかなって感じよ。
でも、若さ独特のフットワークの軽さみたいなものは感じるから、
飲んでいるとちょっとクセになるかな…
ガメイとは思えないほど、深い味に出会うと、ドキッとする。
それもちょっとクセになるかもね…
「まあ、そうね…比較的軽いワインね」
「好きですか?」
「ボージョレが?」
「ううん、ボクのこと」
年末のボージョレは意外な味が
するのかもしれない
by premierbious